安川惡斗（やすかわ・あくと）という女子プロレスラーをご存知でしょうか。プロレスにまったく興味のない方でも、今年2月の喧嘩マッチに発展した試合で彼女が壮絶な怪我を負ったというニュースを目にしたことがあるかもしれません。
映画『がむしゃら』は、“悪の女優魂”というキャッチフレーズでヒール（悪役）としてリングに上がる彼女の秘められた素顔に迫るドキュメンタリーです。いじめやレイプ、自殺未遂、病気など、彼女自身から語られる過去（そして現在）はあまりに壮絶で驚きます。でも、彼女は笑っている。現実から逃げているわけではなく、忘れようと努めているわけでもありません。頑張ってそうなったんじゃなく、ただ前を向くことしか知らない、そんな純粋なパワーに満ちています。何度倒れても傷ついてもボロボロになっても、立ち上がって進もうとする彼女の姿は眩しい光のようで、観ているうちに涙が溢れて止まらなくなってしまいました。
未来に希望をどうしても持てない、今いる世界が息苦しくて仕方ない…そんな思いをしている人には絶対に観てほしい映画です。何も考えなくて良いです。彼女の姿を見るだけで良いんです。彼女が歯を食いしばって流す汗に、あなたの明日もきっと変わります！

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