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元町映画館☆特集

韓国で235万人の動員を記録した、真実の物語『金子文子と朴烈(パクヨル)』

朴と共に死ねるなら私は満足しようー

「朴と共に死ねるなら私は満足しようー」

またまた骨太な韓国映画の誕生です。自分の身を危険に落としてもなお、信念に沿って生きる金子文子と同じく確固たる信念を持って生きる男性、朴烈。そんな二人の人生はあまりに過酷で結末はあまりに深くて遠い。

こんなお話。
1923年の東京。朝鮮人アナキスト朴烈が書いた詩「犬ころ」に心奪われた女性、金子文子。朴の考え方に共鳴した文子は一目惚れし、人生を添い遂げることを決めた。しかし関東大震災によりふたりの運命は国家が生み出したうねりに巻き込まれていく。「朝鮮人が事件を起こす」、そんな疑惑が日本中に広まるなか、刑務所に入れられても自分たちの意思を曲げない二人。獄中での彼らを助けようと奮闘する仲間たち。多くの支持者とともに日本の内閣とどう向き合うのか。

若いふたりが激動の社会で生きて行く。国家が刻一刻と動いている中で、人の力はどう働くのか。そして人の意思や想いがどれだけ大きく社会を動かすのか。何といっても、強い女性・金子文子を演じたチェ・ヒソの演技が素晴らしい。圧倒的な権力を前にしても何ら屈さず。そしてなお、自分の意見を貫き徹す。今、こんな人が日本にいたらどれだけの人が勇気づけられるだろうか。「消えろこの野郎」。この一言が上映後、じわじわ私の胸を締め付ける。映画でもあるが、そんなことを感じさせない迫力。可愛さを持ちながらも強い女性を演じきったチェ・ヒソ。どこにも所属しない、いい意味で誰にも従わないことで人生をより面白くしている。もう一度言いたい、今、こんな人が日本にいたらどれだけの人が勇気づけられるだろうか。

恋愛、歴史映画でありながら、現代の日本、社会に通じる人が社会の中で生きる有様をファンタジーではなく、今必要な生き方を提示してくれたこの映画に本当に感謝したい。この映画を今、自由に選択し、劇場で観ることのできる日本は幸せなのかもしれない。
金子文子と朴烈(パクヨル
(監督:イ・ジュンイク/2017/韓国/129分)

4/6(土)~4/12(金) 14:20~
4/13(土)~4/19(金) 13:20~